なぜ高専の就職率は100%なの?

前々から読んでおきたかった本.Amazonプライムが1ヶ月無料体験なので受け取れる日の前日に注文して来たら読むというフローを楽しむ1冊目.
高専を高校受験時の選択肢の1つとして推薦する1冊.

すぐ読了してしまった

なぜ高専の就職率は「100%」なの?

なぜ高専の就職率は「100%」なの?

著者

釧路高専機械工学科出身の佐々木章太さん.1982年生まれだから僕の4年上だ.
しかも進学先が旭川高専専攻科生産システム工学専攻なので専攻科で更に他校という特異な道を辿っている.

中身

ページ比や内容からすると,著作というより編集といった具合に感じた.
前後半に大きく割った構成になっている.

前半約40ページを読んで

高専の仕組み,校風,学科から就職100%の理由,進学という新しい選択肢の話が短くまとまっている.授業料の比較で高専本科+専攻科という道を大学学士卒と同等として扱っているのが気になった.
高専専攻科の認知度が企業によっては上がってきているのは事実だが,まだまだ学士と同等として社会には扱ってもらい難いという話をよく聞くせいだろうか.
本科卒についてはそれが述べられており,下手すれば高卒扱いとして採用されるということも少なくない*1
(卒業が)早い(人件費が)安い(実践での能力が)旨いという扱いはまだまだ抜け出せないように感じる.(旨いという話は人や職種によりけりな部分は勿論大きいと思う)
高専が作られた性質上,仕方がないという部分はあると思うが,もっと認知度が上がれば今ではもっと扱いが変わっていたのではないかなぁ.
それを避けて大学進学を選ぶ人も少なからず居る.僕も少なからずそれを感じて編入学を選んだことは否定出来ない.

高専の公式サイトを見てみる事を勧めている点については苦笑い.
母校の北九州高専のサイトはあまり見れたものではないとかいう話ではなく,よく中身が伝わってこない.それぞれの学科のページで学校全体ではなく学科そのものを把握する方が良い手段かもしれない.
母校の場合,学科のページについてはそれぞれの学科で作成しているようで,取り組んでいる内容がわかりやすかった.

後半約150ページ

mixi高専コミュニティで進学,就職の体験談や高専についてどう思うかなど意見を集めて居たのはこの方だったのかと今頃知った.
全部で54人の方からの意見.
同じ高専とはいえ全国62高専もあれば,それぞれの高専で違った雰囲気はあるのは間違いない.現場に居た方,現場に居る学生とでも表現や感想が違うものである.

高専受験を考えている生徒が見るであろう学校紹介のパンフレットなどでは在学中の学生からのメッセージというコンテンツはあっても,卒業生のメッセージというコンテンツはなかなか見る事が出来ないであろうし,卒業することで本当に得たと感じたものが何なのかを知ることが出来るというのは実に貴重である.

中にどの高専を卒業した学生のメッセージがあるかだけをページの最後に記しておきます.高専の受験に興味がある中学生やその親御さんが本を購入する前の参考にして頂ければ嬉しいです.

そういえば

"高専 偏差値"というキーワードでこのページに辿り着く方が多いようなので参考迄にこれを貼っておきます.

昔ブックマークしたものが404で驚いたが移転していたようだ.
出身高専の偏差値を見るあたり,おそらくこの表は学校が設置されている地域の学区での偏差値くらいに相当するのだと思う.全国の中で平均的にここまで高いと首をかしげてしまう.笑
また,高専同士の偏差値を比較しても母集団がまず違うので少なからず相関があるとしても直接比較出来る指標ではない事にご注意を.

そして言う迄もないと思うが,あくまでも受験生の模試などから計算された偏差値です.リンク先にも書かれている通り.

以下に先に述べていた卒業生のメッセージが掲載されていた方の校名と学科を一覧しておきます.

思ったよりも多くてしんどかった.苦笑

*1:身の回りを見た主観が強いかもしれないが