高専ロボコン2008全国大会
先週は高専ロボコンの全国大会を見に,両国国技館に行ってきた.
僕が大会前に両国を訪れる*1と全国大会に出れなくなるというジンクスをはねのけて,後輩達は見事に全国の会場に居た.
ちなみに長澤まさみ主演の映画「ロボコン」を見て興味を持ったというはてなスタッフid:yosukeと一緒に行った.
最近遅刻が目立って来た僕に対して「遅刻するなよ」と言っておきながら10分遅れたのは彼の方だったのが心残りである.
以下,NHKの全国放送まではある意味ネタバレになるので自己判断でお願いします.
満杯の国技館枡席
基本的に枡席は高専の応援団が中心.中央のあたりは一般席.特に審査員の背後となる前の方は開場12:30に対して7:00くらいには並ばなければ手に入らない特等席.
枡席1区画に4人の大人を詰め込むのは大層.id:yosukeは周辺に2002-2005の北九州高専のロボット操縦者に囲まれるという変な図になっていた.
決勝トーナメントまでは,北九州高専の応援席らへんにおりました.ピットメンバーになれなかった学生さん(甲子園でベンチに入れないというのと似た感覚)でいっぱいです.ちょっと汚れた赤つなぎは彼らの作業着.さすがに僕が着るのは恥ずかしいのですが,東京の部屋には持って来ている.
決勝トーナメントに入ってからは,惜しくも敗退された詫間電波高専のOB方に席を譲って頂けて中央4列目.リハーサル以外で初めてこんなに近くの観覧席に座った.
高専ロボコンOBと出会う
僕も4年間高専ロボコンに出場していた縁もあって,一緒に来ていた方々を放置して,会場を訪れていたOB達と話してまわっていた.
特に嬉しかったのは沖縄高専の5年生.僕が最後に作って地区大会で動かしたロボットを覚えていて褒めてくれたのである.色メガネとヒゲで覚えてますというのは余計だったが.
- これ
山田五郎がとうとう会場へ
いつも放映時のスタジオゲストとして現れていた山田五郎氏も,とうとう国技館に召還されていた.マジレスをする解説の清水教授*2の隣でにこやかに話していた.
- インカムのバンドに髪型を台無しにされた山田五郎氏
- マネージャから指摘が入ったのかバンドが後ろにずれた山田五郎氏
NHKの新たな試み
近年の出場するロボットは形であったりテーマ達成へのアプローチが往々に似通ってきている.原因がルールの未熟さか,学生のレベルの高さかは定かではないが,ルールに対しての最適解を見つけられてしまっているようだ.
優勝よりも優位であるとされるロボコン大賞にも首をかしげる人が多くなっているのが毎年会場を見ていて感じる.
ロボコン大賞の大まかな定義である
テーマに忠実でアイデア,技術ともに最も優れているロボット
というのが優勝したロボットに当てはまっている可能性が高くなってしまってはロボコン大賞の意味はない.
2006年に優勝とロボコン大賞をどちらも詫間電波高専が取った時が変わり目だったのか,2007年は初戦敗退となったサレジオ高専にロボコン大賞が贈られ,
今年はトーナメントとは別に,ロボット見せるためだけの特別試合に大きく枠を取ったのである.*3
しかも,その特別試合の出場権の4チームのうち,2チームは会場の子どもの投票,もう2チームは機械学会,ロボット学会の森先生の推薦としたのだ.
これは会場の同意という方法を使ってロボコン大賞を選定できるし,森先生の推薦を使って1回戦でうまく動作しなかったがNHK的に見せたいロボットも選び出すことが出来る.
- 会場に設けられた投票所
これは安易かもしれないが,ロボコン大賞のために考えられた面白い取り組みである.
更には,決勝戦の後の閉会式までの空き時間で二足歩行ロボットを4体ずつ徒競走をさせるなどして,勝負とは違った部分でロボコン大賞の選出を行えるようにしていた.
結果として,1回戦では敗退したものの,パフォーマンスで大車輪を行った津山高専がロボコン大賞に選ばれた.会場が沸いたし,技術的にも興味を持たされたロボットであったが果たして大賞を贈られるべきであったかは疑問が残らないわけではない.それもOBとなってしまった年寄りの考えることなのか,2002年の富山商船高専のFireWallが理想のロボコン大賞像として印象付けられているせいかもしれない.
今年はまだNHKとしても最初の試みであるので,それが正しいかどうかは分からないが,トーナメントで無残に消えてしまうロボットを見せられる仕組みが出来たことは素晴らしいと思う.
そして母校は
夏休みに遊びに行った際から大きく成長していて驚いた.準受動歩行を実現する一高専生では難しい技術とそれを本番で稼働させられた彼らの力には参った.
もし動かなかったらと思って,気が気じゃなかったがちゃんと動かした上にゴールもさせられて安心した.ただ,何の賞も受賞出来ず少々残念だったなとは思う.
自分の居た場所が居た頃よりもレベルアップしているのだなと嬉しい気持ちになれた.