地元に親しき人が来る
よく考えると東京出身とか結婚しているとかじゃないとあまり起こり得ないイベントだ。id:mirakui さんが僕の退職(この時点では厳密にはまだ同僚だったが)後、ちょうど実家で生活している間に北九州を訪れてくれたので観光案内人を務めた。その前の年にも一度訪れて何故だか気に入ってくれていての再訪というのも珍しい。修羅の国ではありませんでしたか。
僕が居るときに訪れられると心境がなかなか違ってくる。ロケットランチャーが出土しても、かつての通学路に手榴弾が転がっていても、故郷は故郷なので良いところだったと認知して帰ってもらいたい気持ちが少なからず出てくる心地がした。「お母さん!手榴弾の情報募集のポスターしまっといてって云ったでしょ!」と学校の友達が初めて来る時の気持ちを抑えながら空港に向ったら、飛行機はまだ離陸するかどうかの時間だった。遠足の日の朝か。
逆に自身が居ない時だったら土足で家に上がり込まれた気分になるのは良くない。
平尾台、関門海峡、皿倉山、博多、中州、天神、志賀島をほぼ30時間以内*1で全て回ったのは地元の人間としてもやり過ぎな感を否めなかった。
こういった出来事が単純に嬉しかった*2ので、仲良くしてくださった皆様を是非僕の居る場所で歓迎したいと思います。いまはアメリカはカリフォルニアに居てクリスマスも年越しもこちらでなかなか寂しい気がするのでご来訪お待ちしております。
南京錠をかける行為
デートスポットか何かの柵などに、名前を書き込んだ南京錠をかけるという風習を最近初めて知った。江ノ島が有名らしいのだけど、この近辺に何度か行ったはずなのに一度も気づかなかったのは、縁のない立場としてしか訪れたことがないからだろうか。
何故南京錠が選ばれたのかまで辿ってはいないが、日本におけるバレンタインデーの風習に似たものを邪推してしまう。ロマンチックねで済めば世話はない。
南京錠ならどうにか取り外すことが可能な上、ペンによる書き込みくらいなら容易に落として再利用することが出来そうだ。全国各地の名所っぽいところに専用の柵を用意して、定期的に取り外す。取り外すのがあからさまになるので、大量に溜まったところで仕方なく外しました的に減らして再利用扱いとなった南京錠はまた販売に回されるといった具合だ。錠前業界がいつ本腰をあげてもおかしくない。
ある程度錠前業界が潤う反面、ネタの枯渇感に合わせて色んなデザインの南京錠が世に出回る。いまやダイヤルロック式が主流のはずの自宅のポストも南京錠が巻き返したり、絶対に外せない南京錠みたいなのが出て来てそれを誤って大事なところに付けてしまった事件に警察が追われるなか、全国にまでブームが行き渡り、地方観光地のマスコットキャラクターよろしくご当地南京錠まで出てきそうだ。
こういう風化するのに凄く時間がかかりそうなもの、しかも回収だったりに手間がかかるものをを残すのは色々と残酷なものも思い浮かべてしまう。そこにウェブ上のアカウントなんて書いてしまっている人を想像したら辛くなってくる。チョコレートなら舌の上で数十秒の話がだ。
写真は福岡の志賀島の潮見公園で撮ったもので、付けられた南京錠は4,5個ほどで自転車の鍵みたいなのもあった。観光名所というわけではないのか、業者の方が定期的に回収しているのかはわからないが、眺めた景色はとてもとても良かった。
鎌倉ドッグフーディング
鎌倉にあるランサーズ株式会社に縁あってお邪魔した。都内から1時間くらい、観光客で賑わう小町通りの真ん中にオフィスがあって楽しそうだった。特にオフィスの上に屋上があるのが羨ましくて、映像の中でしか見たことの無かった屋上での弁当、喧嘩、喫煙、告白、坂道のアポロンとかが彷彿としてきて良かった。
ランサーズが鎌倉にあるのは東京でなくとも良い具合に仕事をやっていけるんやで的なクラウドソーシングの世界を体現しようとしているみたいだった。会社サイトとかノベルティとかも全部ランサーズの中で発注していてサービスの粒度でも働き方の粒度でもある種のドッグフーディングっぽくて面白かった。最終的に会社という概念だけが残って、社長はじめ働く人全員がランサーズの中で発注されていたら、らりるれろ的で凄く格好良い。
サービスつくるときにそういうドッグフーディング、使うレベルの抽象度だったら良いのだけど、精神論みたいになって来ると色々大変という話も聞いた。それが目的に変わってしまうことを防いでうまく運用していくというのは容易なことではないみたいだ。
キッチンが当たり前に傍らに存在する会社での終盤を外食中心に過ごしたことを強く反省します。
濱崎、会社やめるってよ
10/5がクックパッド株式会社の最終出社日だった。入社からぴったり2年半になる。
応募していないのに内定を出された23歳の修士1年生は、26歳になって脂質が3倍になった。
2年半の仕事を振り返ると大きなトピックは入社後から順に
くらいが挙げられて、インフラ、Androidアプリを中心にウェブアプリを少々という具合で過ごしてきた。概ね好き放題やらせてもらえたことが何よりも有り難かった。
辞めるのは何故かと問われることが多い中で、いくつか理由を話しているとどれも心底そう思って説明出来たかどうか不安になるので、これだと言い切れる理由は持っていない。説明する相手によって当たり障りがなかったり同意を得やすそうなものを選んでしまっていたのは反省している。
何か不満があったからといったらそうかもしれないし、外に最もやりたいことを見つけたといえばそうかもしれないし、忘れていたマンションの更新料諸々の通知に本気で青ざめたからといえばそうだ。きっとその後の動向次第でどうにかこうにか正当化するのだろう。情けない。
ただ、大事にしていた人達と別れることにはめっぽう弱いので、泣いてしまって仕方が無い。
「桐島、部活やめるってよ」に倣って*1本作品にあやかって誰かが僕の退職を語ってくれる人が居たら、それを集めたい。集まらなさそう。よく考えると、部活で有能とか学業が優秀とか、桐島さんに全く該当出来ない感じで非常におこがましいタイトルだ。
この2年半の間に出会ってお世話をして下さったみなさま
会社内外問わず様々な方が優しくしてくれたことがこの2年半の原動力でした。
10月は福岡の実家に帰り、しばしゆっくり過ごそうと思っていますが、執筆、講演、委託、仕事、お茶等ございましたら是非お声かけください。k.hamasaki [a] gmail.com
都内であと何日かふらついていると思いますので、気が向いたらお声かけください。会う人が途絶えたら帰省しようと思います。
ありがとうございました。
集まった...(10/13 14:08追記)
8月11日(土)公開 映画『桐島、部活やめるってよ』公式サイト のトレーラーを10回くらい見て(実家に帰ってきて「桐島、部活やめるってよ」を観に行こうと思ったが、福岡県内で上映しているのが既に1件という状況でDVD/BDになるのはいつか調べる様相)もそれっぽく仕上げられる自信が涌いて来なかったので並べておこうと思う。観測漏れがないか心配。これは桐島君ではなくて映画部の青年がやる立ち回りではないのかねと思ったけれど、濱崎個人に対してのこの記事の書き手が映画部の青年にあたっているので間違いではないけど、映画部の青年と桐島君が同一の人物となってしまうので矛盾...もしや映画のオチはこれなんだろうか。違うか。
- 濱崎さんのこと - 日記 / 同僚だったまきもとさん
- 海老かつ日記 / 同僚だった高本さん
- hmskさん、C社やめるってよ - 実はhokkai7go / イベントで会ったhokkai7goさん
- 濱崎、C社やめたってよ - ryopekoの日記 / 僕と逆に女性関係に明るかったryopekoさん
- hmsk、会社辞めるってよ - @sugamasao.blog.title # => ”コードで世界を変えたい” / ひばりやさんに謝るべきだったすがまさおさん
- 濱崎、会社やめるってよ - 準二級.jp / よく会う友人だったjune29さん
- 濱崎、会社やめるってよ - kei-s@ブログ苦手 / よく会う友人だったkei-sさん
- 濱崎、会社やめるってよ。 - 良いあそなすちゃん / 退職届を出した後に飲むようになったasonasさん
気の利いてそうなコメントをそれぞれに書いていたら本質と逸れてきたので消した。
ちょうどこのエントリを書いて1週間が経ったが、実家に居ても変わらずに仕事やインターネットをしている。昨日は普通にクックパッドの仕事をしていた。....あれ?
*1:公式サイトでトレーラーを見ただけなので実家に帰ったら観に行こうと思う。
5ミリオン
担当していたアプリケーションのトータルのダウンロード数が500万を越えた。担当が自分だけになって半年程が過ぎ、ちょっと変な愛着が涌いてきていたのか、100万-500万の表示が500万-1000万に変わる瞬間をここ1ヶ月くらい待ちわびていた。
勿論自分のお陰だと云い切れるような成果ではない*1。ただ、この数字の層がドンと表向きに変わる瞬間の嬉しさとか何とかそういうのが、年越しのカウントダウンに声をあげているおめでたい感じなのが久しい。自分もそうだったはずが年越しはビールを飲んでて、気づいたところでああ年が変わったのねというところに落ち着いてしまっているので、きっと1000万ダウンロード越える頃には、まあそんなもんじゃないのって面をしているんだと思う。今目の前に居たら殴る。
毎日デジタル時計がゾロ目になる時分を見て喜んでいられたら世話ない。
本当は飛び跳ねて喜びたいので飲みにいきましょう。
*1:今年の春にウェブビューベースのアプリにしたので尚のこと自分だけの成果からは遠ざかったが、そこに力を入れるのがとても面白かった。