お参りに行った。

Metal Android at Googleplex

 Googleの本社を訪問した。気持ちの良い日光の元で食事や散歩をした。室内に入ったのは食事をお盆に載せるのと、On site storeで買い物をする時だけだった。訪れるのはこれも4年ぶりで色々様子は変わっていたようだが、ストアの位置が変わったことくらいしか感知出来なかった。

 Androidの次期バージョンに合わせてオブジェが追加されたとよく報じられるGoogle Building 44の前に訪れるのは念願といえば大袈裟だけれど、行っておきたい場所だった。というのも、ここ2年近くはAndroidのおかげでご飯を食べたり、人と関われていたりする部分が僕には少なからずあって、頭の隅にいる背徳心みたいなモヤっとしたものを扱いきれずに居た。44棟の前まで行って、同行者達に対して恥ずかしくて声には出せなかったけど感謝の気持ちを念じた。

 こういう感覚には一貫性がなくて、もしAndroidにこういう気持ちを持つのなら、僕は山ほどのOSSにもっと感情やコミットを持ち合わせないといけないと思って気が滅入って来た。ただ、それとはどう違うかは少しわかっていて、好きなアーティストが地元で公演するから行くのに近い。帰りにTシャツ買っちゃう感じ。

 写真のオブジェについては帰ってからウェブで報じられていてびっくりした。ほやほやらしい。

芝生が好きです。


Stanford Oval by Kengo Hamasaki on 500px.com

 前の記事でちらりと書いたけれど、11月の末からカリフォルニア州ベルモントという都市*1で暮らしている。日本で個人的に受託した仕事に手に取り組みつつ、時間が許す限りはこちらで過ごすつもりでいる。所謂シリコンバレーと呼ばれるようなところにあたる場所に来るのは、22歳のシリコンバレー訪問記 - 目次---22歳のシリコンバレー訪問記:ITproから4年近くが過ぎていて思うことは大幅に変わってしまったけれど、スタンフォードの芝生でまたごろごろ出来て良かった。

 何故シリコンバレーに行きたいの?という言葉に対して、正当化するのを第一に理由を作ったり、尋ねられた時に納得してもらうのを念頭に自信を持って答えられる情報を準備する必要はなくて、あそこのお店のチャーハンが美味しいしジャンプもマガジンもあるからあそこによく入り浸っているんだというのに似た選択だったんじゃないかなあと1ヶ月と少しを過ごして思うようになった。

 その答えも簡単に曲がったりしそうなので、逐次感じ取ったことを書くようにしている

*1:都市というには閑静すぎる田舎町だけれど

地元に親しき人が来る

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 よく考えると東京出身とか結婚しているとかじゃないとあまり起こり得ないイベントだ。id:mirakui さんが僕の退職(この時点では厳密にはまだ同僚だったが)後、ちょうど実家で生活している間に北九州を訪れてくれたので観光案内人を務めた。その前の年にも一度訪れて何故だか気に入ってくれていての再訪というのも珍しい。修羅の国ではありませんでしたか。

 僕が居るときに訪れられると心境がなかなか違ってくる。ロケットランチャーが出土しても、かつての通学路に手榴弾が転がっていても、故郷は故郷なので良いところだったと認知して帰ってもらいたい気持ちが少なからず出てくる心地がした。「お母さん!手榴弾の情報募集のポスターしまっといてって云ったでしょ!」と学校の友達が初めて来る時の気持ちを抑えながら空港に向ったら、飛行機はまだ離陸するかどうかの時間だった。遠足の日の朝か。
 逆に自身が居ない時だったら土足で家に上がり込まれた気分になるのは良くない。

 平尾台、関門海峡、皿倉山、博多、中州、天神、志賀島をほぼ30時間以内*1で全て回ったのは地元の人間としてもやり過ぎな感を否めなかった。

 こういった出来事が単純に嬉しかった*2ので、仲良くしてくださった皆様を是非僕の居る場所で歓迎したいと思います。いまはアメリカはカリフォルニアに居てクリスマスも年越しもこちらでなかなか寂しい気がするのでご来訪お待ちしております。

*1:http://dl.dropbox.com/u/808712/ScreenShot/20121208_001613.png

*2:帰りに凄く満足した旨を笑顔のmirakuiさんに伝えられた時が一番気持ち良かった

南京錠をかける行為

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 デートスポットか何かの柵などに、名前を書き込んだ南京錠をかけるという風習を最近初めて知った。江ノ島が有名らしいのだけど、この近辺に何度か行ったはずなのに一度も気づかなかったのは、縁のない立場としてしか訪れたことがないからだろうか。

 何故南京錠が選ばれたのかまで辿ってはいないが、日本におけるバレンタインデーの風習に似たものを邪推してしまう。ロマンチックねで済めば世話はない。

 南京錠ならどうにか取り外すことが可能な上、ペンによる書き込みくらいなら容易に落として再利用することが出来そうだ。全国各地の名所っぽいところに専用の柵を用意して、定期的に取り外す。取り外すのがあからさまになるので、大量に溜まったところで仕方なく外しました的に減らして再利用扱いとなった南京錠はまた販売に回されるといった具合だ。錠前業界がいつ本腰をあげてもおかしくない。

 ある程度錠前業界が潤う反面、ネタの枯渇感に合わせて色んなデザインの南京錠が世に出回る。いまやダイヤルロック式が主流のはずの自宅のポストも南京錠が巻き返したり、絶対に外せない南京錠みたいなのが出て来てそれを誤って大事なところに付けてしまった事件に警察が追われるなか、全国にまでブームが行き渡り、地方観光地のマスコットキャラクターよろしくご当地南京錠まで出てきそうだ。

 こういう風化するのに凄く時間がかかりそうなもの、しかも回収だったりに手間がかかるものをを残すのは色々と残酷なものも思い浮かべてしまう。そこにウェブ上のアカウントなんて書いてしまっている人を想像したら辛くなってくる。チョコレートなら舌の上で数十秒の話がだ。

 写真は福岡の志賀島の潮見公園で撮ったもので、付けられた南京錠は4,5個ほどで自転車の鍵みたいなのもあった。観光名所というわけではないのか、業者の方が定期的に回収しているのかはわからないが、眺めた景色はとてもとても良かった。

鎌倉ドッグフーディング

Komachi Ave., Kamakura

 鎌倉にあるランサーズ株式会社に縁あってお邪魔した。都内から1時間くらい、観光客で賑わう小町通りの真ん中にオフィスがあって楽しそうだった。特にオフィスの上に屋上があるのが羨ましくて、映像の中でしか見たことの無かった屋上での弁当、喧嘩、喫煙、告白、坂道のアポロンとかが彷彿としてきて良かった。

 ランサーズが鎌倉にあるのは東京でなくとも良い具合に仕事をやっていけるんやで的なクラウドソーシングの世界を体現しようとしているみたいだった。会社サイトとかノベルティとかも全部ランサーズの中で発注していてサービスの粒度でも働き方の粒度でもある種のドッグフーディングっぽくて面白かった。最終的に会社という概念だけが残って、社長はじめ働く人全員がランサーズの中で発注されていたら、らりるれろ的で凄く格好良い。
 サービスつくるときにそういうドッグフーディング、使うレベルの抽象度だったら良いのだけど、精神論みたいになって来ると色々大変という話も聞いた。それが目的に変わってしまうことを防いでうまく運用していくというのは容易なことではないみたいだ。

 キッチンが当たり前に傍らに存在する会社での終盤を外食中心に過ごしたことを強く反省します。